伐木・集運材の歴史

The Japan Forest Engineering Society

October 31, 2004 


 「特集20世紀の森林・林業 伐木・集運材−年表の整理」 林業技術 No.700(2000年7月)を一部修正・追加して掲載しました。

西 暦 元 号 事         項
1889 明治22 尾鷲地方で木材の鉄線運搬が始まる
1892 明治25 足尾銅山,運材用にハリジー式単線循環式索道を架設
1896 明治29 御料林(神奈川県津久井郡),木軌道による木材搬出
1897 明治30 尾鷲地方,民有林の相賀軌道(5.6q)初めて敷設
1898 明治31 御料林(冨士),鉄線運材実施
1901 明治34 御料林(木曽阿寺),日常品運搬用の軌道敷設
1902 明治35 大井川流域に木馬導入(桟手・橇・駿動車)
1903 明治36 玉村勇助,単線把握クリップによる複線式索道を考案
1904 明治37 高野山国有林,わが国最初の森林軌道を開設
東京府(水源地府有林),複線交走式索道による運材実施
高知県安芸郡(民間会社),木軌道敷設工事開始
1905 明治38 尾鷲・吉野(柳の谷〜上北山村出合),6qの架空索道設置
国有林,高野山軌道(3.3q)敷設
1906 明治39 津軽森林鉄道着工
台湾,阿里山鉄道着工
青森板割沢,軌道運材開始
1907 明治40 青森・大鰐小林区署,高知・馬路小林区署,軌道敷設。トロリー集運材開始
1908 明治41 津軽森林鉄道,ボールドウィン蒸気機関車・シェイ式蒸気機関車導入
1909 明治42 津軽森林鉄道,青森〜喜良市間 67q開通
秋田(能代貯木場),丸太水上機械設置
1910 明治43 台湾,阿里山鉄道にシェイ式蒸気機関車導入
魚梁瀬森林軌道(田野線),起工
1911 明治44 土井八朗兵衛(尾鷲),熊野の山林に架空索道(延長 11.9q)を架設
魚梁瀬森林軌道(田野線),竣工
1912 明治45・大正元 台湾,阿里山にリジャウッド集材機導入
津軽森林鉄道,コッケリー蒸気機関車導入
高野山(高野索道KK),複線式索道を架設
1913 大正2 高野山国有林,森林軌道にインクライン導入
御料林(木曽),小川森林鉄道着工
秋田(長木沢軌道),コッペル蒸気機関車導入
尾鷲(尾鷲索道KK),玉村式単線索道を架設
1914 大正3 高知・白髪森林鉄道,中屋式発動機関車(ガソリン機関車)導入
御料林(木曽),小川森林鉄道に日本軌道製蒸気機関車を導入
国有林(高知),初めて簡易索道利用
1915 大正4 御料林(木曽),初めて作業軌道敷設
1915 大正4 御料林(木曽),小川森林鉄道にボールドウィン蒸気機関車を導入
1916 大正5 木曽御料林,小川森林鉄道・植松〜小川入 19.4q開通
1917 大正6 御料林(木曽),王滝森林鉄道着工
高知,魚梁瀬森林鉄道(野田〜馬路〜魚梁瀬〜石仙 41.6q)全通
秋田(仁鮒森林鉄道),大日本軌道製蒸気機関車導入
1918 大正7 東京(木材会社),木材のトラック輸送開始
酒井工作所,プリスム社(アメリカ)製ガソリン機関をモデルに国産化
1919 大正8 秋田,上小阿仁森林鉄道開通
国有林(熊本),インクライン作設
堀田式トロリー制動器考案
木曽上松土場にデリッククレーン設置
1920 大正9 綱島式集材機製作(27.5t,5ドラム蒸気機関)
御料林(木曽),リジャウッド集材機・ポータブルドラグソー導入
高田商会(東京),ハンソン社(ドイツ)製チェーンソー”セクター”を輸入・販売
1921 大正10 国有林,スウェーデンとアメリカよりチェーンソーを導入,試験的に使用(青森,秋田,北海道)。機材重量は動力部 38s余,鋸部 19〜37s(鋸の立木圧着支持に2人,発動機運転に2人を要し,20分間の使用で1時間機械を休ませた)
1921 大正10 木曽・阿寺森林鉄道,3t ホイットカムガソリン機関車(アメリカ)導入。豆トロリー空車引き上げの動力化
国有林(青森・秋田),セクター伐倒機械使用
1921 大正10 秋田・木曽・高知,綱島式集材機配置
1922 大正11 高知大林区署,ポーター蒸気機関車(四輪連動・サイドタンク・10t)導入
国有林(屋久島),アメリカ製蒸気集材機購入
1924 大正13 北海道,オルトフール・クローラ・トラクター(45ps,8t,アメリカ)による約 8qの運材試験
北海道庁,民間トラックによる運材試験
国有林(高知),単線循環式大古味索道架設
1925 大正14 国有林(大阪),単線循環式大又索道架設
国有林(秋田),高知式インクライン伝わる
1926 大正15・昭和元 御料林(木曽川上流),伐出材すべて陸送となる
高知本山式ガソリン機関車1号車製作
国有林(熊本),飛越式簡易索道考案
国有林(北海道),貯木場にサリバン型電動巻上機導入
1927 昭和2 北海道庁,キャタピラトラクタ(4.5t,アメリカ)導入
北海道・樺太でトラクタ運材盛んとなる
野村式鉄線運搬法が普及
三島式鋼索制動機が考案される
山崎式貨車自動制動連結器が考案される
御料林(木曽),初めて簡易索道導入
1928 昭和3 王子製紙苫小牧分社山林部,冬季キャタピラトラック運材を実施(紙パ界本格的機械導入開始)
御料林(木曽王滝),クライド型ガソリン集材機導入
御料林(北海道),林鉄敷設工事始まる
御料林(木曽),ディーゼル機関車を初めて使用
1929 昭和4 国有林(熊本),単軌木馬が考案される
1930 昭和5 木曽型集材機製作(国産最初のガソリンエンジン集材機)
木炭ガス発生装置が普及し始める
1931 昭和6 国有林,このころからトラックを導入
御料林(木曽),このころから巻上機を導入
国有林(大阪),クライド型ガソリン集材機を導入
1932 昭和7 御料林(木曽),曲線機械集材始まる
国有林(大阪・高知),貨車用水圧制動機を利用
国有林(熊本),複線循環式簡易索道を架設
1933 昭和8 御料林(三重県大杉谷),複線交走式千尋索道を架設
このころから自家製改造機関車が多くなる
1934 昭和9 国有林(高知),巻上機が普及
1935 昭和10 御料林(木曽),S字曲線集材機実行
木曽式二胴集材機による2段集材方式始まる
国有林(秋田),簡易ガイドリッククレーン利用開始
1936 昭和11 国有林(高知),係留搬器の利用を開始
1938 昭和13 小松製作所,D-35トラクタ製作開始
1939 昭和14 秋田鐵工場(米内沢),軌道集材機を製作
1940 昭和15 御料林(木曽・北海道),国有林(同),トラックを導入
1941 昭和16 国有林(秋田),馬利用の軌道運材開始
1942 昭和17 国有林(大阪),冬山の橇運材開始
1943 昭和18 三重県・大分県等,鉄線トバシ運搬が盛んとなる
国有林(大阪),牛利用の鉄道運材開始
1944 昭和19 国有林(熊本),純木製トロリーを製作
1946 昭和21 富士産業三鷹工場,動力鋸の試作開始
米軍が各地で2人用チェーンソーを使用
1947 昭和22 秋田局鷹巣署,トラクタ集運材開始
国有林,チェーンソー使用開始(機械化推進の一環)
1947 昭和22 富士産業,Y型集材機の試作開始
1948 昭和23 トラックのワンポール積込法が普及
1949 昭和24 林野局,全国 3ヵ所で集材機講習会を開催
全国的に,集材機による集材作業が最盛期に
「林業機械化情報」 創刊
国有林(北海道),トラクタ運材開始
1950 昭和25 国有林の機械導入が活発となる
架線索道の利用がしだいに活発となる
国有林林鉄でエアブレーキ利用
高知局・森ヶ内森林鉄道,前橋局・目兼森林鉄道,初めて自動車道へ改良
苗畑作業にアメリカ製ハンドトラクタが使用される
1951 昭和26 国有林,ウィッセン集材機を購入,長野局野尻署に配置
T6型モノコックトロリー完成
長野局管内,索道運材が再開され活発化
1952 昭和27 曲線集材が各地で盛んとなる
協三工業,ジプクレーンを製作する
巻田式 F型簡易運搬装置が考案される
1953 昭和28 外国製チェーンソーが導入され始める
森林鉄道保安規程・建設規程を制定
福岡県,害虫防除に初めて航空機使用
1954 昭和29 藤林式ブッシュクリーナが発表される
洞爺丸台風,北海道風倒木大量発生
1955 昭和30 林野庁,洞爺丸台風による風倒木処理のため大量の林業機械導入(北海道)
北見局・小清水営林署,トラクタ全幹集材実施
1956 昭和31 岩手富士産業,初の国産林業用トラクター CT-25型を発表
このころ,林業機械メーカー,小型トラクターによる集材実験を行う
外国製刈払機の導入が始まる
1956 昭和31 富士重工,ふじラビットチェーンソーを発表
3輪トレーラー式林内作業車開発される
1957 昭和32 林野庁,機械化作業実験営林署(機械化モデル営林署)に沼田営林署を指定
1957 昭和32 帯広局・パイロットフォレスト,大型機械化作業始まる
林野庁,生産力増強計画を策定,国有林林鉄のトラック道への切り替え方針決まる
1958 昭和33 岩手富士産業,木寄せ作業専用の小型集材機 Y-27Aを製作
1958 昭和33 長野局・妻籠署,初めて全幹集材実施
各社,小型集材機を発表
外国製植穴堀り機導入
民有林,チェーンソー導入が活発となる
1959 昭和34 北海道 5局,野鼠防除に航空機利用
東大,索道用風圧ガバナー制動機を開発
林野庁,「集材機作業基準」 作成
1960 昭和35 林野庁,「林業機械化推進要領」 を定める
前橋局・沼田署,機械化センター設置
国有林,苗畑の大型機械化が始まる
ソ連製 TD40型トラクタが導入される
1961 昭和36 ユニック,トラックの運転席と荷台の間に架装する積載型油圧クレーンを開発
東京局・大子署,初めて立ち木集材を実施
労働省,「林業労働の安全基準」 を規定
1962 昭和37 林野庁,トラクタ集運材作業基準制定
集運材架線技士免許制度が実施される
1962 昭和37 前橋局・沼田署,初めてトラクタ階段造林を実施
西ドイツ製ウニモクが導入される
山梨県,野呂川林道完成(1951年着工)
1963 昭和38 和田鉄工所,自走式搬器の実用機完成
東大・秩父演習林,トラクタ階段造林を実施
滋賀県,治山工事にヘリコプターを利用
長野局・伊那署,札幌局・大夕張署,扇形集材を行う
1964 昭和39 長野局・福島署,円形集材法を考案
秋田局,リモートコントロール集材装置の試験を実施
秋田局・仁鮒貯木場,筏流廃止。流送完全に姿を消す
1965 昭和40 チェーンソーなどによる振動障害が社会問題となる
1965 昭和40 ツリーモンキー,プランテングガンが試用される
1966 昭和41 三菱重工,FT2型林内作業車を発表
1967 昭和42 岩手富士産業,ホイールトラクタ T-30・T-50型を試作
共立エコー,防振内臓チェーンソー CS-801を発表
国有林,自動枝打機を導入・試験
油圧式伐倒機が導入される
労働省,レイノー氏現象を職業病と認定
1968 昭和43 林内作業車デルピス(農林機械研究所製作),林業技術賞を受ける
森藤機械製作所,トウィングウインチおよびグラップル付スピードクレーンを開発
国有林,沼田営林署で無線操縦搬送機の実用化試験
株式会社南星,グラップル付ロータークレーン搭載トラックの販売開始
イワフジ,リモコン集材機 Y-32ERを発売
1969 昭和44 森藤機械,大型4胴集材機(エアブレーキ式)MSNO-34を製作
南星,3胴熱帯林業用集材機を販売,無線操縦集材機を製作
和光貿易,超軽量チェーンソー(4s以下)を発売
林野庁,トレイルブレイザー小型トラック(アメリカ)を輸入・実験
岩手富士産業,リモコン集材機 Y-23ER・油圧式伐倒機 T50ツリーシェアー製作
林野庁,振動機械(チェーンソー・刈払機)の使用時間規制を実施
林野庁,リモートコントロール集材機の開発を始める
1970 昭和45 東京営林局・沼津営林署,電動チェーンソーの試験実施
1970 昭和45 林野庁,スンズプロセッシングマシン(スウェーデン)を輸入,沼田営林署で実験
東京営林局・東京営林署,林業用モノレールの実験実施
国有林,林鉄は王滝線を残すのみとなる
ヘリコプターを利用した山火事空中消火実験が実施される
1971 昭和46 沼田機械化センター,フランクリンフォワーダ輸入,実地試験実施
1972 昭和47 岩手富士産業,林野庁の委託により リモコントラクタを製作
沼田機械化センター,ブッシュコンバイン輸入,実地試験実施
労働省,労働安全衛生法制定
1973 昭和48 奈良県,ヘリコプターによる木材搬出作業開始
前橋営林局,盤台上自動玉切装置の開発実地試験実施
沼田機械化センター,フェラーバンチャ輸入,実地試験実施
1974 昭和49 岩手富士産業,小型林内作業車 T-20を製作
ヤンマーディーゼル,ロータリーチェーンソー RH57を発売
共立エコー,振動 1G以下の刈払機を発表
1975 昭和50 高知営林局,リモコンチェーンソーの試作品完成
国有林,盤台玉切装置の実用化導入を開始
沼田営林署,全駆動回転式ミニバックホウおよびフェラーバンチャ(カナダ)の実験実施
1976 昭和51 林業試験場,バルーン集材の試験実施
最後の森林鉄道,王滝〜上松線廃止
林野庁,林業機械開発改良事業発足
1977 昭和52 このころを前後して,各社から林内作業用の小形運材車が発表される
労働省,「チェーンソーの規格」公示
1978 昭和53 秋田営林局・能代営林署,玉切装置を補完するものとしてグラップルソーを導入
福岡県,農業用小型運搬車を林業用林内作業車に改良(やまびこ号の前身)
前橋営林局,ツリーモンキー(西ドイツ)導入,伐倒前枝払実験実施
国有林,リモコンチェーンソー導入開始
1979 昭和54 和田鉄工所,ラジコンウインチを発売
林野庁,林業災害防止機械開発改良事業発足
1980 昭和55 株式会社南星,ポータブルリモコンウインチを製作販売
国産自動枝打機,初めて沼田林業機械化センターでテスト
長野営林局・上田営林署,グラップルソーを導入
沼田機械化センター,ユンカリチッパーによる末木枝条の山地還元法の実験実施
1980 昭和55 小形ハーベスタのマッケリ33T(フィンランド),北海道各地でデモ
1981 昭和56 森藤機械製作所,リモコン装置付 4胴集材機発売
1981 昭和56 水平対向 2気筒エンジン搭載チェーンソー発売される
1982 昭和57 高知・大阪営林局,国有林で初めてヘリコプター集材を導入
遠藤木材が導入したマッケリハーベスタ33Tを使用して,実証事業が行われた
自走式リモコンキャレッジ(ラジキャリー)が開発される
1983 昭和58 住友林業,CADを応用した森林管理システムRobin Hood を開発
1984 昭和59 イワフジ工業,林野庁の委託により末木小径木簡易搬出機器(後のラジキャリー)を開発
1985 昭和60 新宮商行,ワンマンオペレータによる小型チップハーベスタを発表
北海道(民有林),ロコモハーベスタ(フィンランド)導入
自走式搬機 ”スカイキャリー” 販売開始
1986 昭和61 秋田営林局,秋田スギのヘリ集材開始
高速クローラ形スキッダFT180(アメリカ)導入される
1987 昭和62 多工程処理機械フェーラーバンチャ・スキッダ(Timberjack社製)が導入され,北海道でデモ作業実施
1988 昭和63 倭文林業,スタイヤー社製クレーンプロセッサKP-40を導入
王子緑化,ハーベスタヘッドパルメット935(スウェーデン製)導入
森藤機械製作所,林野庁の委託により小形タワー付集材機を試作
和田鉄工所,林野庁の委託によりウインチ内装自走搬器の実用化試験実施
1989 昭和64・平成元 林野庁,高性能機械の開発を目指す「先端技術導入林業機械開発事業」 スタート
鳳来町森林組合,国産材生産高度化促進モデル事業で小形多工程処理機械 ”Nokka Joker” (フィンランド)を導入
及川自動車,リョウシンタワーヤーダを開発
1990 平成2 イワフジ,林野庁の委託を受けて開発を進めてきたグラップル・プロセッサGP-30Aを発売
沼田機械化センター,歩行式フェラーバンチャ ”シャイフ”(西ドイツ)の現地研修会実施
1990 平成2 日本林業経営者協議会,タワー集材機 ”ツルムファルケ” を導入,熊本でデモ実施
シーケーエス・チューキ,タワーヤーダ ”CKH−10500Z クローバ” を開発
タワーヤーダ(コラー社製)輸入
ニチメン,ベルロッガーを初めて輸入
1991 平成3 農林水産省,「高性能林業機械化促進基本方針」 を公表
林野庁,「高性能林業機械オペレータ養成推進事業」 始める
九州各地,19号台風災害跡地処理を契機として,高性能林業機械の導入が進む
川崎機械製作所,ラジタワーを開発
三菱重工,タワーヤーダ MTY400を開発
1992 平成4 高知県,下刈用林業ロボット開発に向け委員会設置
1994 平成6 コベルコ社,クローラ式タワーヤーダ KTY600を発表(国内初)
1997 平成9 NEC,日本初のハーベスタシミュレータを開発
2000 平成12 農林水産省,「高性能林業機械化促進基本方針」 を改定

 森林利用学会ホームページへ